「己」を試すかのように・・・


寒くても、
バレンタインだって、
そんなの関係ねぇー



この寒さのせいか?
世の中は、バレンタインのようだが、そのためか?
ジムには、人が居なかった。
全く。
練習生は、かろうじて、1人。
そして、後から、1人来て、最初居た1人は、すぐ帰って・・・。


要するに、ほとんどの時間が2人きりだった。


人が居ないと、熱気がないせいで、寒い。
加えて、冬のこの寒さ。
全く、体が温まらない。
しかも、蓄積する疲労に、
昨夜の睡眠不足。
悪い条件が揃った、そのとき・・・。


当然の結果に行きつく。


体は、疲労で動かない。
寒さで、股関節も動かない。
蹴ると、足がつりそうになる。


しかし、何しろ、練習生が2人だから、
せまい、ジムの中に2人だから、
トレーナーの監視の目にさらされて、なかなか手を抜くことができない。


疲れて、体はもう動かないのに、
蹴るたびに、ふくらはぎがつりそうになるのに、
サンドバッグに立ち向かった。


しばらく、悪夢は続いた。
「己」を試すかのように・・・